父の戦跡 大村歩兵第146連隊(出発から玉砕・復員の記録)
父の戦跡
大村歩兵第146連隊(出発から玉砕・復員の記録)
宮﨑裕爾
した。
海軍に
よって火ぶたを切った。
その20日ほど前の11月16日、宮﨑 實氏が所属する大村歩兵
第146連隊も、南方へ向けて門司港を出港している。戦地に
向かう輸送船での生活、兵たちの会話、ジャングルでの訓練、
そして開戦当日「わが兵団は、これよりフィリピンのダバオ
島に敵前上陸する。
九州男児の名に恥じないように」との短い訓示があったこと
など、
貴重である。
至近距離での手榴弾の投げ合い、戦闘機による機銃掃射、そ
して空爆で、隣にいた戦友の首や腕や足が千切れ、顔が砕け、
内臓が飛び出てむごたらしく死んでいく。その瞬間も内地の
母や妻が、息子や夫の無事をひたすら祈り続けている。
淡々と記されるこれら戦場の証言が、私たちは本当に真剣に
なって戦争を避けなければならないことを伝えてくれる。
宮﨑 實氏は1940年秋21歳で応召し、人が身近で殺しあう戦
闘の地獄を体験し、1946年5月27歳で復員した。
本書は次男の裕爾氏
の中にあった戦友会の手記
や軍隊生活の細部を書き起こしたものである。
兵士たちによる詳細な記録を読むと、旧日本軍ははた
組織として正常に機能していたのだろうかという疑問が湧
いてくる。
無責任な高級将校やエリートで占められた軍上層部のため
に、
の底から憤りを
否応なく徴兵されて兵隊にされ、戦地に運ばれ、銃を持た
され、無残
前たちは賢明になれ!」
洋戦争そして敗戦まで、東南アジアや
ちの声を聞き過ごしてはならない。
【著者略歴】宮﨑裕爾(みやざき ゆうじ)
高校教師。1953年長崎市生まれ。長崎西高等学校卒。熊本大
学大学院文学研究科、哲学
として赴任。2014年退職後、非常勤として勤務。
著書『旅の空』『続・旅の空』『完・旅の空』『鎌倉の空』
(すべてV2文庫出版)
価格 ¥1,800+税
ISBN978-4-88851-432-3 C0078
四六判並製 226頁