妻を知ることは、私を知ること
妻を知ることは、私を知ること
―意味性認知症の妻とともに歩んだ日々―
岩永嘉人著
意味性認知症という難病を患う妻を5年8カ月にわた
って夫は介護した。その身体的物理的な作業に精神性
が次第に加えられていき、やがて夫は「妻」を発見し
ていくことになる。その過程で、発症する前の夫婦と
して共に歩んでいた長い年月に起きたささいな出来事、
ふと記憶に残っていた何気ない妻との会話、それらの
一つ一つが6年近い年月のなかで考察の対象になって
いった。そして多分それは「省察(せいさつ)」と呼べ
るものだろう。
つまり、認知症を発症した伴侶を介護し最期を看取るま
での期間は、自分と元気なころの妻という二つの人格の
内心を深く見つめていく旅路でもあった。
本書は平易な言葉で書かれていて、介護の記録という体
裁を取っているが、「人が二人で生きる」というテーマを
考え抜いた爽やかな哲学書だとも言える。認知症の老親
を持つ人や医師及び介護職の人、そして「夫婦とは?結
婚とは?」という普遍的な問いを持つ人たちに対して、
大きな気付きを与えてくれる一冊である。
<テレビ放映予定>
介護の過程とその後を追ったテレビドキュメンタリー番組が
2026年5月23日(土)15時からKTNテレビ長崎で放
送され、その後フジテレビでも全国放送される。
【著者略歴】岩永嘉人(いわなが よしと)
1954年西海市崎戸町生まれ。県立長崎北高、武蔵野美術大学卒。教員として
旧県立美術博物館、県教委学芸文化課勤務、公立中学校長などの傍ら、画家
として活動。安井賞展、日本海美術展、現代日本絵画展など多数の公募展で
入選、入賞。みゆき画廊(東京銀座)、長崎県立美術博物館、KTNギャラリー
など県内外で個展開催。アメリカ、韓国、東京、大阪、福岡など、国内外で
グループ展に多数出品。退職後は、長崎新聞カルチャーセンターで水彩画・
美術教室講師を務めている。長崎県西彼杵郡時津町在住。
定価(本体2000円+税)
A5判 並製 368頁
ISBN978-4-88851-440-8