シーボルトの親友

1,980
  (税込)

↑ ↓

シーボルトの親友
     中野和久 著

友をとるのか、それとも国か。
その究極の選択が招いた運命を、彼は
後悔しなかった。
50人を超える検挙者を出したシーボ
ルト事件には今も多くの“謎”と“何故”
が残る。
著者が膨大な史料を読み込み、江戸時
代後期に起こった大疑獄の真相に迫る。

<内容>
シーボルトの親友
シーボルトはスパイだったのか!?
長崎と江戸で進む幕府の捜査、次第に追
い詰められていく腹心の阿蘭陀通詞の視
点から「シーボルト事件」を描く迫真の
小説

NIPPON
日本から追放されて30年後、日蘭修好通
商条約締結の翌年安政六年(1859)に長男
アレクサンダーを伴って再来日を果たした
シーボルトの栄光と挫折を描く

  《著者略歴》中野和久(なかの かずひさ)
昭和38(1963)年長崎市生まれ。放送大学卒業。
九州郵船株式会社勤務(機関長)。九州文学同人。
九州芸術祭文学賞北九州地区優秀賞
『テッポウさん』で第4回安川電機九州文学賞
大賞を受賞。福岡県北九州市在住。

<出版社より>
シーボルト事件では多くの日本人が検挙され、
中でも重罪とされた4人には死罪や永牢など
の処分が下されました。本書の主人公はその
一人、シーボルトの信頼厚いオランダ通詞の
吉雄忠次郎です。終身禁固刑となった忠次郎
は北国の米沢新田藩に預けられることになり、
天保元年(1830)から座敷牢で幽閉されます。
その、次第に衰弱していく忠次郎を親身に看
病した医師が吉田元碩です。
忠次郎は厳しい取り扱いのなか2年8ヶ月後、
天保四年(1833)に死去しました。本書では
忠次郎が吉田の問いにとつとつと答えるかた
ちで、事件の全貌が現れてきます。ただシー
ボルト事件には幾つかの謎が残されていて、
著者は膨大な史料を読み込み、背後に蠢くあ
る雄藩の存在を指摘しています。
まさに歴史ファン必読です。

定価(本体価格1800円+税)
判型:四六判 並製 382ページ 
ISBN978-4-88851-405-7 C0093
発行日2024年4月23日(初版)